介護福祉士は働きながら取れる?実務ルートの条件と流れ
介護福祉士は国家資格ですが、今の仕事を続けながら十分に目指せます。
実際の主流は実務経験ルートで、受験条件は従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上に加えて、実務者研修の修了です。
「自分はいつ受けられるのか」「何から先に片づけるべきか」が曖昧なままだと、必要日数は足りているのに研修や証明書の準備で受験機会を逃しがちです。
この記事では、第38回(2026年1月25日実施、3月16日合格発表)の最新情報と、125点満点・合格基準60%程度、さらに2026年導入のパート合格制度(A60/B45/C20)を踏まえて、シフト勤務でも逆算しやすい工程表を整理します。
働きながら取るうえで大切なのは、難しそうかどうかよりも、実務経験・研修・出願準備をどの順番で進めるかです。
筆者はここが合否を分けるポイントだと考えており、本記事ではその道筋を具体的に見える形にしていきます。
介護福祉士は働きながら取れる?結論と向いている人
結論: 働きながら取得は十分可能
介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格で、国家試験の実施は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが担っています(公式サイト)。
そのうえで実際の取得ルートを見ると、現場で働きながら受験資格を満たす実務経験ルートが中心です。
この見通しを支えているのが、実務経験の積み方にあります。
実務経験ルートでは、前述の通り従業期間と従事日数の要件を満たす必要がありますが、短時間勤務やパート・アルバイトでも、介護業務に従事した日は実務経験日数として数えられる扱いがあります。
勤務時間の長さよりも、介護職として何日従事したかが重要になるため、フルタイム勤務者だけの資格ではありません。
一方で、「働きながら取れる」は「何となく続けていれば受かる」と同義ではありません。
ここが多くの受験生が見落としがちな点ですが、両立の前提になるのは、実務経験の管理、実務者研修の修了、国家試験対策を並行して回すことです。
たとえば実務者研修は通信中心で進められる講座が多いものの、「介護過程Ⅲ」と「医療的ケア」はスクーリングが必須です。
仕事の合間に自宅学習だけ進めれば完結するわけではありません。
学習負担の感覚も、事前に持っておくと現実的です。
無資格から実務者研修に入る場合は450時間が標準で、6か月で終えるなら計算上の目安で週あたり約17時間の学習量になります(あくまで概算)。
受講形式やスクールのカリキュラムによって必要期間・週当たり負担は変わります。
国家試験そのものも、現職者が挑みやすい設計です。
試験は年1回、例年1月下旬に実施され、第37回試験では受験者75,387人に対して合格者58,992人、合格率は78.3%でした。
もちろん簡単と言い切れる試験ではありませんが、極端に低い合格率の国家資格とは性格が異なります。
現場経験を持つ受験生が、研修と出願準備を落とさず、試験対策を積み上げれば十分に狙える資格です。
向いている人・向いていない人
働きながら介護福祉士を目指すのに向いているのは、まずすでに介護現場で働いている人です。
日々の業務がそのまま実務経験の蓄積につながり、試験学習でも用語や場面をイメージしやすいからです。
座学だけで知識を入れるより、「この内容は現場で見たことがある」と結びつく人のほうが、学習効率は高くなりやすいのが利点です。
次に相性がいいのは、シフト調整にある程度の融通が利く人です。
実務者研修では通学日が発生し、スクーリングは6〜10日程度、あるいは7回前後で組まれる例があります。
毎週の固定休が取りやすい職場や、早めに希望休を出せる環境なら、研修日程を組み込みやすくなります。
逆に、直前まで勤務表が読めない働き方だと、受講計画が崩れやすくなります。
もうひとつ重要なのが、自己管理ができる人です。
通信学習中心の実務者研修は自由度が高い反面、放置すると一気に遅れます。
働きながら取れた人の多くは、能力が特別高いというより、平日2時間前後を淡々と積み上げたり、週末に不足分を埋めたりする習慣化ができています。
筆者の感覚でも、両立の成否を分けるのは一度に長く勉強できるかより、忙しい週でも学習を止めないことです。
反対に、向いていないのは試験直前期でも学習時間をほとんど確保できない人です。
国家試験は125点満点で、合格基準は総得点の60%程度を基準に毎回調整されます。
現場経験があっても、知識を試験形式に合わせて整理する時間がまったく取れないと、得点は安定しません。
特に苦手科目を後回しにするタイプは、直前で一気に苦しくなりやすいのが利点です。
また、スクーリング日程の調整が実質的に難しい人も、働きながらの取得とは相性がよくありません。
実務者研修は通信だけで完結しないため、「通学日が合わなければ何とかなる」という資格ではないからです。
現場勤務と勉強の両立で本当にネックになるのは、学習意欲の有無より、日程の物理的な噛み合わせです。
💡 Tip
週あたりの勤務日数で見ると、実務従事日数540日を3年間で満たすには計算上の概算(目安)で週約3.7日になります。これはあくまで「日数÷年数」で算出した参考値です。

受験案内 (受験の手引き) | 電気通信の工事担任者 | 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター
www.dekyo.or.jp3本立て運用(管理・研修・試験)の全体像
働きながら介護福祉士を取るなら、やることは大きく3つです。
実務経験の管理、実務者研修の修了、国家試験対策を別々の作業として扱い、同時進行で回していく形になります。
ひとつずつ見ると難しすぎる作業ではありませんが、どれかを後回しにすると全体が止まります。
1つ目の実務経験の管理では、自分がいつ受験資格を満たすかを数字で把握しておくことが欠かせません。
従事先が複数ある人は、出願時に実務経験証明書を職場ごとにそろえる必要があります。
受験勉強ばかり進めていても、証明書の回収に時間がかかると出願工程で詰まりやすいので、ここは事務作業として早めに整理しておくほうが強いです。
2つ目の実務者研修は、3本の中でも最も「スケジュール依存」が強い工程です。
無資格者なら450時間、初任者研修修了者なら320時間が目安で、通信学習に加えてスクーリングも必要になります。
筆者はこの工程を、試験勉強の前提条件というより、受験資格を完成させるための長期プロジェクトとして見るべきだと考えています。
忙しい人ほど、試験の数か月前に慌てるのではなく、研修修了の時期を先に固定したほうが全体が崩れません。
3つ目の国家試験対策は、実務経験や研修とは性質が違います。
ここでは「現場で知っている」だけでは足りず、125点満点の試験で得点できる形に知識を整える必要があります。
第38回からはパート合格制度が導入されますが、導入初年度の2026年1月実施試験では全受験者が全パートを受験します。
Aパート60点、Bパート45点、Cパート20点という区分はあるものの、初年度は部分受験のような使い方はできません。
この制度変更を誤解すると、学習配分を誤りやすいので注意したいところです。
3本立ての運用を実感に引きつけて言うと、勤務シフトを回しながら、研修の提出物と通学日を管理し、そのうえで1月下旬の本試験に得点力を合わせていく流れです。
仕事が忙しい人ほど、試験だけを見ていると準備が間に合いません。
逆に、この3本を別物として整理できる人は、働きながらでも進捗を立て直しやすくなります。
ここが、現職者が最短で合格ラインに乗るための設計図です。
働きながら取る実務経験ルートの条件
実務経験のカウント方法
実務経験ルートで誤解しやすいのは、「3年以上働いていれば自動的に受験できるわけではない」という点です。
必要なのは従業期間3年以上(1,095日以上)に加えて、従事日数540日以上です。
つまり、在籍期間だけでなく、実際に介護業務に従事した日数も満たしていなければなりません。
ここで見落としやすいのが、短時間勤務やパート勤務の扱いです。
実務経験ルートでは、介護業務に従事した日は1日として数える扱いがあるため、フルタイムでなくても日数を積み上げられます。
たとえば1日6時間前後の勤務でも、その日が介護業務への従事日であれば日数計上の対象になります。
勤務時間の長さより、何日従事したかが重要だと考えると整理が楽になります。
一方で、週の勤務日数が少ない人は、在籍年数を満たしていても540日に届かないことがあります。
感覚的には、540日を3年間で満たすには週あたり約3.7日がひとつの目安です。
週3日勤務を3年間続けても概算では468日ほどなので、日数要件には届きにくい計算になります。
働きながら受験を目指す場合、ここが合否以前の分岐点になりやすいところです。
勤務先が複数ある人も注意が必要です。
通算で要件を満たせる可能性はありますが、出願時には実務経験証明書を事業所ごとに用意する形になります。
現在の勤務先だけでなく、過去に働いた事業所の証明も必要になるため、転職歴がある人ほど早めに整理しておいたほうが出願で詰まりません。
数字そのものより、証明できる形で積み上がっているかが欠かせません。
実務者研修の修了は必須
実務経験ルートは、実務日数を満たすだけでは完成しません。
実務者研修の修了が必須です。
現場経験が長くても、研修が未修了のままだと受験資格は整いません。
多くの受験生が「日数は足りているから大丈夫」と考えがちですが、実務経験と研修修了は別条件として並行管理する必要があります。
無資格から6か月で修了する場合の週あたり約17時間、初任者研修修了者では概算で約12時間という見立てになります。
これらは計算上の目安(筆者の推定)であり、実際の負担は受講形態やスクールの日程によって大きく変わります。
この負担は、数字以上に生活へ入り込んできます。
450時間は8時間換算で約56日分に相当するため、働きながら進めると「空いた日に少しやる」程度では遅れやすい傾向があります。
平日に少しずつ進め、週末で不足分を埋める型にしておかないと、スクーリング日程に追われやすくなります。
実務経験が自然にたまるのに対して、実務者研修は意識して時間を固定しないと前に進まない工程です。
受講形式は通信中心の講座が多いものの、通学日が発生する以上、シフトとの噛み合わせも見逃せません。
ここが合否を分けるポイントで、国家試験の勉強より先に、いつ研修を修了させるかを決めておく人のほうが全体の進行が安定します。
見込み受験と最新要項のチェックポイント
実務経験ルートでは、要件を満たす見込みで出願できる運用があります。
これは「出願時点ではまだ日数や研修修了が完成していなくても、所定の時点までに条件を満たす予定なら受験申込みができる」という考え方です。
現職者にとっては重要で、年1回の試験機会を逃さないための仕組みでもあります。
ただし、見込み受験は「近いうちに満たせそう」で通るものではありません。
どの時点までに実務経験日数を満たしている必要があるのか、実務者研修の修了証明をいつまでに出すのか、証明書類の提出期限がどうなっているのかは、毎年の『受験の手引き』で整理されています。
年度表記と実施年表記が混在しやすい試験なので、同じ回を指していても表現がずれて見える点にも注意が必要です。
見込み受験で特に詰まりやすいのは、書類の段取りです。
複数事業所の証明書が必要な人は、日数計算そのものより「各事業所の証明が締切までにそろうか」がボトルネックになる傾向があります。
退職済みの職場が含まれると、発行依頼から受け取りまで思ったより時間がかかることがあります。
見込み受験は便利な制度ですが、実態としては要件の見込み管理と書類回収の精度が問われる運用だと考えたほうが実務的です。
また、対象施設や対象職種の範囲、受験料の扱いなどは、その年度の要項で読むべき項目です。
とくに受験料は今回の確認範囲では一次情報の数字を置けないため、本記事では断定していません。
制度理解で大切なのは、「3年働いた」「540日近い」という感覚ではなく、その年度の要項の定義に沿って証明できるかという視点です。
ℹ️ Note
見込み受験を使う人ほど、日数の計算と研修修了予定日を別々に管理したほうが混乱しません。実務経験は足りていても研修修了が間に合わない、あるいは研修は終わっていても証明書がそろわない、というズレが起こりやすいからです。
介護福祉士取得までの流れ【勤務しながらの手順】
7ステップの全体工程
勤務を続けながら介護福祉士を目指す場合、流れは「受験勉強」から始めるより、受験資格を崩さずにそろえる順番で見たほうが失敗を避けられます。
実際には、次の7ステップで整理すると全体像がつかみやすくなります。
- 実務経験の確認
まず見るべきなのは、受験日ではなく自分の従事歴です。
前のセクションで触れた通り、年数だけでなく日数までそろっているかを確認し、転職歴がある人は事業所ごとの在籍期間も並べて把握します。
ここが曖昧なままだと、後の証明書準備で止まりやすくなります。
- 実務者研修の受講申込
次に着手するのが実務者研修です。
働きながら進める場合、講座選びで見るべきなのは名称よりも、スクーリング日程と自分のシフトがぶつからないかです。
通信中心の講座は進めやすい一方、通学日が固定されると一気に詰まりやすいため、申込時点で修了までの見通しを持っておく必要があります。
- 修了時期の逆算
- 実務経験証明書の依頼
並行して動かしたいのが証明書です。
特に複数事業所で働いた人は、1通そろえば終わりではありません。
現職分だけでなく退職済みの勤務先分も含めて、早めに依頼を出しておくと後半が安定します。
- 国家試験申込
書類が見えてきた段階で、受験申込みに入ります。
ここは気合いより事務処理の精度が重要で、見込み受験を使う人ほど、提出期限と添付書類の対応関係を丁寧に追う必要があります。
- 受験
受験資格が整って初めて、ようやく試験対策が生きてきます。
第38回試験は2026年1月25日に実施予定で、近年の第37回では受験者75,387人、合格者58,992人、合格率78.3%でした。
数字だけ見ると極端な難関ではありませんが、現職者は学力より前に手続きで落とさないこと。
- 合格後の登録
試験に合格しても、その時点ではまだ「介護福祉士」と名乗れる状態ではありません。
合格後は登録申請を行い、登録が完了して資格名称を用いる流れになります。
ここも試験の延長ではなく別工程なので、必要書類や登録手数料は要項ベースで切り分けて考えるのが実務的です。
この7ステップを見てわかる通り、働きながらの取得では、勉強そのものより前半の段取りが全体を左右します。
受験生が詰まりやすいのは学習内容より「研修修了日」「証明書回収」「申込期限」の3点です。
修了時期の逆算と日程の組み立て例
現職者が最も意識したいのは、国家試験の日程から逆にカレンダーを作ることです。
介護福祉士試験は例年1月下旬に実施されるため、その時点から逆算して実務者研修の修了を置きます。
感覚としては、試験日の6〜9か月前には研修申込を済ませ、スクーリングの最終日が試験前に確実に終わるように組むのが基本線です。
たとえば第38回の試験日は2026年1月25日です。
この日程を基準に考えると、研修申込は春から夏に入る頃には動いておきたい工程になります。
無資格から受講する場合は学習量が重く、平日に少し、週末にまとめて進める型でも数か月単位で走ることになります。
夜だけで進めるつもりで開始を遅らせると、通信課題は終わってもスクーリング最終日が後ろにずれ、受験年が1年ずれる形になります。
組み立てのイメージとしては、まず試験日を固定し、その前に実務者研修の修了日を置き、さらにその前にスクーリング日程を当てはめます。
そこから逆に、通信学習を始める週と受講申込の時期を決める流れです。
順番を誤って「空いている月に申し込む」と考えると、勤務シフトの都合でスクーリングを後回しにしやすく、結果として全体が遅れます。
特に繁忙期がある職場では、スクーリング日を休める月から先に確保しておく発想が有効です。
実務者研修は机上では数百時間ですが、働きながらだと「仕事のない日を長く使う工程」に近い感覚になります。
平日2時間、土日に3時間ずつというペースでも、無資格なら修了まで約7か月かかる計算になり、少しの遅れがそのまま1か月単位の後ろ倒しになりがちです。
ここで大切なのは、国家試験の勉強開始時期より、研修修了の確定日を先に持つことです。
受験勉強は多少の前後調整が利きますが、スクーリング日程は動かしにくいためです。
講義の理解不足は後から補強できますが、修了していない状態は出願段階では埋められません。
講師として受講相談を見ていても、働きながら合格まで進む人ほど、試験日ではなく修了日から予定表を作っています。
💡 Tip
日程を組むときは、「試験日」「研修修了日」「スクーリング最終日」を同じメモに並べるとズレが見えやすくなります。現職者は学習時間より先に、この3点の位置関係を固めたほうが進行が安定します。
実務経験証明書の依頼と見込み受験の注意
実務経験証明書は、書ける内容が決まっている定型書類に見えて、実際には最も時間を読みづらい工程です。
現職の事業所なら比較的話が通りやすくても、退職済みの勤務先は担当者確認や記録照合に時間がかかりやすく、依頼から発行まで待たされることがあります。
そのため、出願時期が近づいてから集め始めるのではなく、必要になりそうな事業所分を先に洗い出しておく流れが安定します。
複数の事業所で経験を積んでいる人は、各事業所ごとに依頼が必要です。
ここで見落としやすいのが、「今の勤務先で日数が足りそうだから過去分は不要だろう」という判断です。
実際には通算の整理や記載内容の確認で過去分が必要になるケースもあり、後から連絡先を探す手間が発生するリスクがあります。
転職回数がある人ほど、証明書は勉強より先に段取りを組んでおく価値があります。
見込み受験を使う場合は、証明書の依頼時点で「まだ完成していない要件」と「申込時に必要な書類」を切り分けて考える必要があります。
特に提出期限の扱いは年度ごとの『受験の手引き』で整理されるため、見込みで出せる書類と、後日提出になる書類を混同しないこと。
ここが曖昧だと、日数は足りる予定でも申込書類が整わず、制度を使い切れません。
また、見込み受験では実務経験の見込みと実務者研修修了の見込みが別管理になる点も見落とされがちです。
現場では「もう少し働けば3年に届くから受けられる」と考える人が多いのですが、実際には研修修了のタイミングが別軸で走っています。
どちらか一方だけを満たす予定でも出願全体は完成しないため、証明書の依頼と研修の進捗確認を同じ週に見るくらいでちょうどよいです。
合格後にも事務手続きは続きます。
介護福祉士は、国家試験の合格だけで名称を使えるわけではなく、登録申請を経て「介護福祉士」と名乗れる流れです。
登録手数料や添付書類は要項に沿って進む工程で、試験終了と同時に自動で完了するものではありません。
現職者にとっては、受験当日までをゴールにせず、登録完了までを一連の流れとして捉えるほうが実務に合っています。
実務者研修は働きながら受けられる?受講形態と期間の目安
受講形態(通信+スクーリング)と必須実技
実務者研修は、働きながら進めやすい設計ではありますが、完全な通信制ではありません。
基本形は「通信学習+スクーリング」の組み合わせで、レポートやオンライン教材で進める部分と、会場で実技や演習を受ける部分が分かれています。
この点を最初に押さえておくと、勤務との両立を現実的に組み立てやすくなります。
特に通学が必須になるのは、介護過程Ⅲと医療的ケアです。
ここは知識を読むだけでは修了扱いにならず、実際に対面で学ぶ工程が入ります。
つまり、「平日は全部自宅学習で、空いた時にだけ進めれば終わる」という資格ではありません。
働きながら取れる資格ではあっても、シフト調整が必要な日が必ず発生する、という理解のほうが実態に近いです。
筆者が日程相談でよく感じるのは、通信学習の量よりも、スクーリング日をどこに差し込むかで詰まる人が多いということです。
通信部分は夜や休日に分散できますが、スクーリングは開催日が決まっているため、自分の都合だけでは動かせません。
現場で働きながら進めるなら、「勉強時間を作る」より先に「出席日を確保する」という発想が必要になります。
受講時間の違い
働きながら受けられるかを左右するのは、受講形態だけでなく総学習時間です。
無資格から実務者研修に入る場合、総時間は450時間で、受講期間の目安は原則6か月以上です。
一方、初任者研修を修了している人は130時間が免除され、実務者研修は320時間になります。
この差は大きく、現職者にとっては体感負担にも直結します。
無資格の450時間を6か月で進めると、単純計算で週あたり約17時間の学習ペースです。
平日の夜に少しずつ進め、週末にもまとまった時間を使うイメージになります。
仕事終わりに平日2時間、土日に各3時間という配分でも週16時間なので、無資格ルートでは約7か月かかる計算です。
勤務が不規則な人ほど、この1時間差、2時間差が後半で効いてきます。
これに対して、初任者研修修了者の320時間なら、同じ6か月換算で週あたり約12時間です。
現場に出ながら進める負担はまだ軽くはありませんが、夜の学習時間を確保しやすく、スクーリング日の調整もしやすくなります。
すでに初任者研修を持っている人が実務者研修へ進みやすいのは、制度上の優遇というより、時間設計が現実的になるからと考えると伝わります。
スクーリング日程・欠席時対応の確認ポイント
一般的な例としては6〜10日程度で組まれるケースや、7回構成で分割する事例がありますが、これはあくまで一例です。
スクールによってスクーリング日数・回数や配置が大きく異なるため、申し込み前に実際の日程、振替規定、最終修了日を必ず確認してください。
あわせて見ておきたいのが、受講有効期限と実地会場の立地です。
通信課題は進んでいても、スクーリングを後ろ倒しにした結果、受講期限に追われる形になると一気に苦しくなります。
会場までの移動時間も、机上では小さく見えて実務では重い負担です。
片道30分と片道90分では、同じ1回の通学でも仕事前後の消耗がまったく違います。
働きながら完走できるかは、学習意欲よりも、こうした運営条件との相性で決まる場面が少なくありません。
ℹ️ Note
実務者研修は「総時間」だけを見ると実感が湧きにくいのですが、無資格の450時間は8時間労働換算で約56日分です。現職者が大変に感じるのは当然で、負担を軽くするコツは根性論ではなく、通学日と移動負担を先に読んでおくことにあります。
通信中心 vs 通学重視の比較
同じ実務者研修でも、スクールによって「通信中心で自宅学習を多く取る型」と「通学比重がやや高く、学習ペースを授業で作る型」に分かれます。
どちらが良いかは一概に言えませんが、勤務形態との相性ははっきりあります。
通信中心は、費用を抑えやすく、空いた時間を活かしやすいのが強みです。
夜勤明けや平日休みを使って自分のペースで進められるので、シフトが固定されていない人には噛み合います。
その代わり、通信課題をため込むと一気に苦しくなります。
自由度が高い講座ほど、進捗管理を自分で持てるかが合否以前の分かれ目になります。
一方の通学重視は、授業日が定期的に入るぶん、学習リズムを作りやすいのが利点です。
独学だと後回しにしがちな人には向いています。
ただし、毎週または定期的に通学日が固定されやすく、シフト調整の負担は重くなりがちです。
現場勤務で土日どちらかが埋まりやすい人は、この固定性がネックになることがあります。
比較すると、判断軸は次のようになります。
| 比較項目 | 通信中心の実務者研修 | 通学重視の実務者研修 |
|---|---|---|
| 学習の自由度 | 高い | 低め |
| 自己管理の必要性 | 高い | 比較的低い |
| シフト調整 | スクーリング時中心 | 毎週・定期的に必要になりやすい |
| 費用感 | 通学より安い傾向 | 相対的に高くなりやすい |
筆者の見立てでは、勤務が不規則なら通信中心、学習習慣に不安があるなら通学重視が合わせられます。
働きながら修了できるかどうかは、講座の知名度よりも、自分の勤務パターンに対して「どの日に必ず出る必要があるか」が明確かどうかで決まります。
ここを見誤ると合否が変わります。
国家試験の概要と2026年からのパート合格制度
第38回試験日程と合格基準
介護福祉士国家試験は年1回の実施で、第38回は2026年1月25日に行われ、合格発表は2026年3月16日です。
働きながら受験する人にとっては、受験日そのものよりも、「その日までに何を仕上げておくか」を逆算できるかどうかが重要になります。
1月下旬の本試験に照準を合わせるなら、年末年始を追い込みだけに使う形ではやや不安が残ります。
試験は125点満点で、合格基準は総得点の60%程度が目安です。
ただし固定点ではなく、その回の難易度に応じて補正されます。
単純計算では60%は75点ですが、毎年その点数で切られるわけではありません。
多くの受験生が見落としがちなのですが、介護福祉士試験は「何点取れば絶対合格」と機械的に決まる試験ではなく、おおむね6割を軸にしつつ、実際の合格ラインは回ごとに動く試験です。
この前提に立つと、学習の狙い方ははっきりします。
ぎりぎり6割を狙うより、難易度補正が入っても吸収できる得点帯まで持っていくほうが安全です。
すでに触れた通り、第37回は合格率が高めでしたが、それでも現職者は「本番であと数点届かない」より、「準備の途中で失速する」ほうが起こりやすい傾向があります。
試験制度を知る意味は、数字を覚えることではなく、勉強の余白をどこまで取るべきかを判断することにあります。
パート合格制度の初年度運用と翌年度以降
第38回からは、パート合格制度が導入されます。
配点はAパート60点、Bパート45点、Cパート20点です。
総得点125点が、この3つに分かれる構造だと理解すると、出題全体の重みづけが見えやすくなります。
Aパートの比重が最も大きく、Bがそれに続き、Cは配点としては小さいものの、ここを落とすと全体の取りこぼしになります。
ただし、制度が始まる初年度の第38回は、全員が全パートを受験します。
ここは誤解しやすいところですが、「パート合格制度が始まる=最初から一部だけ受けられる」わけではありません。
導入年は制度上のスタートにあたり、合格済みパートの免除を実際に使えるのは第39回以降です。
第39回以降は、受験の仕方として全パート受験と不合格パートのみ受験のどちらかを選べます。
このとき重要なのは、不合格パートの一部だけを切り出して受験することはできない点です。
たとえば複数パートが不合格だった場合に、そのうち一つだけ受ける、という形にはなりません。
制度があることで再受験の負担は軽くなりますが、都合のよい部分受験まで認められているわけではない、という理解が正確です。
さらに、パート合格の有効期限は、合格した試験の翌々年までです。
したがって、一度取ったパートを長く温存できる制度ではありません。
この制度は「数年かけて少しずつ取る」人向けというより、翌年までに残りを取り切る前提で使う制度として捉えたほうが実態に合います。
免除があるから安心というより、免除があるうちに残りを終える設計が必要になります。
ℹ️ Note
パート合格制度は、学習負担をゼロにする仕組みではなく、再受験時の的を絞りやすくする仕組みです。初年度は全員が全範囲を受けるため、第38回の段階では従来どおり全科目を通して得点する準備が基本になります。
学習計画への落とし込み
この制度変更を勉強に落とし込むと、考え方はシンプルです。
第38回を受ける人は、パート制を意識しつつも、準備はあくまで全範囲型で進めるのが基本です。
初年度は全員が全パート受験なので、「今年はAだけ厚めにやって、BとCは来年に回す」という発想では組み立てにくくなります。
制度を知って安心するより、導入初年はまだ従来型の総合戦が続くと見たほうが現実的です。
そのうえで、配点差を使って勉強時間を配分するのは有効です。
Aパートは60点、Bパートは45点、Cパートは20点なので、同じ1時間を使うなら、まずは配点の大きいところで失点を減らす設計が合理的です。
AとBで土台を作り、Cで取りこぼしを防ぐ形にすると、総得点ベースでも安定しやすくなります。
ここを見誤ると合否が変わります。
満遍なく触れるだけでは、仕事と両立する受験生はどうしても復習が薄くなります。
現職者のスケジュール感に合わせるなら、年明け本番から逆算して、秋までに全範囲を1周し、冬は得点化の訓練に寄せる形が組みます。
制度上の合格ラインが総得点ベースで動く以上、知識を増やす時期と、点を落とさない時期を分けたほうが安定します。
働きながらの学習では、直前期に新しい論点を広げるより、すでに触れた分野の正答率を上げるほうが成果につながります。
第39回以降の受験を見据える人は、もう一段実務的に考えられます。
もし初回で取り切れなかったとしても、合格したパートを残して再受験しやすくなるため、翌年の負担は軽くなります。
ただし、不合格パートだけを受ける場合でも、その不合格パート全部を受ける必要があるため、「苦手な1分野だけ後でやる」という細かい切り分けはできません。
だからこそ、初回受験の段階で各パートの弱点を大づかみに把握し、A・B・Cのどこで失点しやすいかを記録しながら進める勉強法が効いてきます。
制度変更の本質は、試験が簡単になることではなく、再受験時の設計がしやすくなることです。
1回で受かればもちろん理想ですが、もし届かなかった場合でも、どのパートを取り切れていて、どこを翌年に残すのかが見えれば、学習計画は立て直しやすくなります。
現職者にとって大切なのは、根性で詰め込むことより、制度に合わせて「今年どこまで仕上げるか」を具体化することです。
仕事と勉強を両立する学習スケジュール例
週間モデル
働きながらの試験勉強は、毎日長時間やる設計より、短時間を途切れさせない設計のほうが続きます。
とくにシフト勤務の人は、勤務日ごとの体力差が大きいため、「平日は軽く、休日にまとめる」ハイブリッド型が現実的です。
目安としては、平日30〜60分を4日、休日に3時間を1〜2ブロックという形が組める構成です。
これなら勤務後でも机に向かうハードルが下がり、休日はまとまった復習や過去問演習に充てられます。
平日の30〜60分は、新しい論点を広げる時間というより、前日に触れた内容を落とさない時間として使うと安定します。
たとえば出勤前に要点確認、帰宅後に択一問題を少し解く、というように役割を分けると、短時間でも勉強した実感が残ります。
勤務が重い日は30分、比較的余力がある日は60分と幅を持たせておくと、予定倒れにならずに済みます。
休日の3時間ブロックは、平日に散らばった学習をつなぎ直す時間です。
筆者はここで、過去問をまとまって解く日と解き直し・ノート整理に寄せる日を分ける設計が効率的だと感じます。
3時間を一気に通すのがつらい人は、90分+90分でも十分です。
大事なのは、休日に「時間はあったのに何をやるか決まっていなかった」という状態をなくすことです。
実務者研修と並行する時期は、さらに負荷調整が必要です。
無資格から実務者研修を進める場合、総時間は450時間で、6か月で終えるなら週あたり約17.3時間の学習量になります。
仕事のない日を丸ごと56日分積み上げるような負担感があるので、この時期は国家試験対策を欲張らず、平日は暗記中心、休日だけ問題演習に絞るほうが崩れません。
初任者研修修了者なら実務者研修は320時間なので、同じ6か月でも週あたりの負担はやや軽くなり、試験勉強を並走させやすくなります。
ℹ️ Note
シフト勤務者は「毎週同じ曜日に勉強する」より、「勤務日の短時間4回+休日1〜2ブロック」と回数で固定したほうが回せます。曜日ではなく学習回数で管理すると、夜勤や遅番が混じっても崩れにくくなります。
仕事と勉強を両立できる人は、机に向かう時間だけで勝負していません。
通勤、休憩、待ち時間といった細切れの時間を、使い道ごとに分けているのが共通点です。
時間管理の具体的な手順は当サイトの「働きながら資格勉強の時間管理」も参考にしてください。
通勤時間には、択一過去問アプリが実用的です。
1問ごとの切れ目がはっきりしているので、数分しかなくても進めやすく、正答率の低い分野も見つけられます。
まとまった解説読みは電車内では流れやすいのですが、問題演習なら「今日どこが弱かったか」が残ります。
休憩時間には、要点暗記カードのほうが向いています。
定義、数字、ひっかけやすい語句の組み合わせなど、見るだけで復習できる素材は、疲れている時間帯でも回せます。
すきま時間の設計では、内容を3つに分けると迷いません。
ひとつ目は「見るだけ」の暗記、ふたつ目は「1問ずつ解く」演習、3つ目は「帰宅後に見直すための印付け」です。
たとえば通勤中にアプリで解いて、迷った問題に印を付け、夜にその論点だけテキストで確認する流れです。
これなら、すきま時間が単発で終わらず、家での勉強につながります。
多くの受験生が見落としがちなのですが、すきま時間は量より再現性です。
通勤20分を理想どおり毎回使えなくても、休憩で5分、移動で10分、待機で5分と積むほうが続きます。
仕事がある日の学習は、長くやるより「勉強ゼロの日を作らない」ほうが失速を防げます。
過去問3年分と模試(10〜12月)の使い方
限られた時間で点を取りにいくなら、教材を増やしすぎないことが欠かせません。
国家試験対策の軸は、直近3年分の過去問を最低2周で十分組み立てられます。
ここが合否を分ける分かれ目です。
仕事と両立している人ほど、問題集を広げるより、同じ素材を反復したほうが得点に結びつきます。
1周目の目的は、合格点を狙うための土台づくりではなく、自分の得点源と失点源を見つけることです。
最初から高得点を狙わず、「どの分野なら取れるか」「どこで毎回迷うか」を把握します。
正解した問題でも、根拠が曖昧なら印を付けておくと、2周目の復習対象がはっきりします。
働きながらの学習では、全部同じ熱量で復習すると時間が足りません。
1周目は選別の作業だと割り切るほうが効率的です。
2周目は、1周目で見つけた弱点を潰す段階です。
ここでは「正解できたか」より、迷わず答えられるかを重視します。
1回目で外した論点、ひっかけに乗った選択肢、用語が混ざったテーマを中心に回すと、短時間でも伸びます。
現職者は新しい問題に次々手を出すより、同じ過去問を解き直したときに説明できる状態まで持っていくほうが安定します。
筆者の現場経験に基づく一例として、模試は10〜12月に1〜2回入れて、時間配分の練習と弱点補正に使うのが実用的です。
この時期なら秋までに触れた範囲を一度通したうえで受けられるため、結果の解釈がしやすくなります。
模試の復習では、点数そのものより、本番の順番で崩れた箇所を見るべきです。
前半は解けたのに後半で集中が切れたのか、迷う問題に時間を使いすぎたのか、あるいは配点の大きいパートで取りこぼしたのか。
そこまで見て初めて、模試が学習計画に変わります。
受けっぱなしではもったいなく、復習で「次の1か月に何を減らし、何を増やすか」まで落とし込むのが得点化のコツです。
ケース別の学習計画サンプル
学習期間は、すでに持っている資格と、実務者研修の負担で変わります。
無資格から入る人は研修の比重が大きく、初任者研修修了者は国家試験対策に寄せやすい傾向があります。
目安として、無資格なら6〜9か月、初任者研修修了なら3〜6か月で組むと、現実的なペースにしやすくなります。
短く詰め込みすぎるより、仕事の繁忙週を吸収できる余白を残したほうが崩れません。
| ケース | 想定期間 | 序盤の中心 | 中盤の中心 | 直前期の中心 |
|---|---|---|---|---|
| 無資格で実務者研修から始める | 6〜9か月 | 実務者研修を優先し、平日は暗記中心 | 過去問3年分の1周目で得点源を把握 | 過去問2周目と模試1〜2回で弱点補正 |
| 初任者研修修了後に進める | 3〜6か月 | 実務者研修と並行して基礎論点を整理 | 過去問3年分の1周目を早めに着手 | 2周目で失点分野を絞り込み、模試で時間配分確認 |
| 実務者研修を修了済みで試験対策に集中できる | 3〜4か月 | 頻出分野のインプットと過去問着手 | 過去問3年分を回しながら弱点整理 | 模試と解き直し中心で得点の安定化 |
無資格の人は、実務者研修だけでも相当な学習量です。
筆者なら、前半は「研修を遅れず終えること」を最優先に置き、国家試験対策は暗記カードと短い問題演習に留めます。
試験勉強を本格化させるのは、研修の見通しが立ってからで十分です。
ここで両方を完璧に回そうとすると、勤務後に何も手につかなくなる人が少なくありません。
初任者研修修了者は研修時間が圧縮されるぶん、過去問に入る時期を前倒ししやすくなります。
この差は大きく、同じ3か月でも、無資格の3か月と初任者修了後の3か月では使える時間の質が違います。
だから学習計画は「何か月あるか」ではなく、その期間に研修負担がどれだけ乗るかで決めるほうが実態に合います。
シフト勤務の人がこの表を使うなら、期間だけ真似するのではなく、平日短時間+休日まとめ学習にどう落とすかまで考えると動きやすい傾向があります。
たとえば平日は通勤と休憩で暗記、帰宅後は30分だけ過去問、休日に3時間で解き直し、という形に置き換えると、予定表に乗せやすくなります。
学習計画は立派さより、勤務表の上で回ること。
費用を抑える方法と資格取得支援制度
職場の資格支援を最大活用
費用面の不安があるとき、筆者が先に見るべきだと考えるのは、スクールの割引より勤務先の資格取得支援制度です。
介護事業所や施設では、人材定着や上位資格者の確保を目的に、実務者研修や国家試験に向けた支援を用意していることがあります。
具体的には、受講料の一部補助、研修日のシフト配慮、スクーリング日の勤務調整、合格祝い金といった形が代表的です。
働きながら資格を取る場合、負担は受講料だけではありません。
実務者研修は通信中心でもスクーリング出席が必要なので、金額そのものより勤務との両立コストを減らせるかが効いてきます。
職場の理解があるだけで、夜勤明けや連勤の谷間に無理に詰め込まず進めやすくなります。
現場感覚としても、数万円の補助と同じくらい、勤務配慮の有無は大きいです。
制度名がはっきり掲示されていない職場でも、就業規則や福利厚生、研修担当の運用として実質的な支援があるケースがあります。
たとえば「資格取得者への表彰」「研修日は希望休を優先」「法人提携スクールの受講料優遇」などは、表面上は別制度でも、実質的には費用圧縮につながります。
ここは見落としやすいのですが、現職者にとって最短ルートになりやすいのは、外部制度より先に職場支援を掘ることです。
自治体補助の活用
次に見ておきたいのが、都道府県や市区町村の補助制度です。
介護人材の確保策として、実務者研修の受講料補助を設けている自治体があります。
例として、埼玉県では令和7年度の「実務者研修受講料」補助に30,000千円の予算枠が設けられており、先着順の扱いが示されています。
こうした制度は、内容そのものより年度と予算枠の消化状況。
この種の補助は、同じ「実務者研修の補助」でも差があります。
県単位で実施するものもあれば、市区町村独自の上乗せがある場合もありますし、対象者を「介護職として就業中の人」に限定していることもあります。
申請時期が受講前なのか修了後なのかで、使いやすさも変わります。
制度があるのに、申請タイミングを外して実費負担になるのは珍しくありません。
ℹ️ Note
先着順の補助は、金額よりも申請の時期管理。年度が変わると名称や条件が似ていても中身が入れ替わるため、前年の案内を前提に考えないほうがです。
自治体補助は、職場支援と重ねて使える場合もあれば、併用に制限がある場合もあります。
ここは一律ではありません。
したがって、同じ地域で働く人の話がそのまま自分にも当てはまるとは限らず、自治体ごとの要件を個別に見ないと判断を誤りやすい領域です。
受講資金貸付・教育訓練給付金の確認ポイント
補助金だけで足りないときは、実務者研修受講資金貸付制度や教育訓練給付金も視野に入ります。
貸付制度の案内例では、最大20万円まで設定されているものがあります。
実務者研修は働きながら進められる一方、学習とスクーリングが重なる時期は出費が先に立ちやすいため、こうした制度は手元資金の負担を和らげる効果があります。
ただし、貸付制度は「借りれば終わり」ではありません。
一定期間その地域や対象職種で勤務した場合に返還免除となるものもあれば、免除条件が細かいものもあります。
勤務先の種別、就業継続年数、申請窓口、連帯保証の扱いなど、見るべき点は多いです。
金額だけで比較すると判断を誤りやすく、返還免除まで含めた制度設計で見たほうが実態に合います。
教育訓練給付金についても、使えれば負担軽減は大きいのですが、こちらはさらに対象講座かどうかと雇用条件を満たすかどうかで可否が分かれます。
一般教育訓練給付と専門実践教育訓練給付では枠組みが異なり、同じ実務者研修でも対象外の講座はあります。
講座名が同じでも、給付対象指定の有無で扱いが変わるため、制度名だけ見て判断しないほうが安全です。
この分野で多くの人がつまずくのは、「制度がある」ことまでは知っていても、自分の勤務形態・自治体・受講講座の組み合わせで使えるかまで落とし込めていない点です。
事業所の支援、自治体補助、貸付、給付金は、それぞれ窓口も条件も違います。
費用を抑えるコツは、ひとつの制度に期待しすぎることではなく、使える制度を重ねて総負担を下げる発想にあります。
よくある質問
無資格からでも目指せる?
目指せます。
実務経験ルートでは、受験時点までに実務者研修を修了していることが必要ですが、この実務者研修は無資格でも受講可能です。
無資格から始める場合の受講時間は450時間で、学習期間の目安は原則6か月以上とされています。
ここで見落としがちなのは、「無資格だから受験できない」のではなく、無資格のままでも先に研修を進められるという順番です。
現場で働きながら資格取得を狙う人は、まず実務経験を積みつつ、並行して実務者研修を終える流れを取ることが多いです。
時間数だけ見ると重く感じますが、通信学習を軸に進められる講座も多く、働きながら到達するルートとしては十分に現実的です。
体感としても、450時間は軽い負担ではありません。
8時間勤務に置き換えると約56日分にあたり、短距離走というより長期戦です。
そのぶん、無資格からでも入口が閉ざされていないのは大きな要所です。
パート・アルバイトの扱い
パート・アルバイトでも、介護業務に従事した日は実務経験の日数としてカウントされる考え方が一般的です。
常勤でなければ対象外、という整理ではありません。
短時間勤務でも、その日に要件に合う介護業務へ従事していれば、実務経験として扱われる余地があります。
ただし、重要なのは雇用形態より業務内容と職種の該当性です。
たとえば同じ施設で働いていても、受験要件上の対象職種として扱われるか、主な業務が介護等の実務に当たるかで見方が変わります。
つまり、パートだから不利というより、何の仕事として従事していたかが問われます。
働き方のイメージとしては、週あたり概ね4回勤務できると、3年間で必要な従事日数に届きやすくなります。
逆に週3日中心だと、3年間では必要日数に届きにくい計算になりやすく、勤務日数の設計が合否以前の分かれ目になります。
夜勤シフト時のカウント
夜勤は長時間働くため「2日分になるのでは」と考えやすいのですが、日をまたぐ勤務でも従業日数としては1日カウントと考えるのが一般的です。
たとえば夕方から翌朝までの夜勤でも、勤務1回を2日として積み上げる発想では整理しないほうが安全です。
ここが合否を分ける急所ですが、実務経験ルートで見られるのは総労働時間の多さではなく、あくまで従業期間と従事日数です。
夜勤を多く入っている人ほど「働いている感覚」はありますが、その実感と日数計算は一致しないことがあります。
夜勤中心のシフトで進めている人ほど、想定より日数が伸びていないケースがあります。
夜勤専従に近い働き方では、とくにこのズレが起きることがあります。
勤務回数は多くなくても1回あたりの拘束時間が長いため、忙しさの割に「従事日数」が増えにくいからです。
現場感覚では十分働いていても、要件の数え方は別物として捉えたほうが整理できます。
研修はいつまでに?
実務者研修は、受験資格を満たす時点までに修了していることが基本です。
試験勉強だけ先に進んでいても、研修修了の扱いが間に合っていなければ受験資格が整いません。
したがって、現職者にとっては学習計画より先に、研修の修了時期を逆算しておくほう。
無資格から始める場合は受講時間が450時間あるため、申し込み時期が遅いと一気に厳しくなります。
6か月前後で終える設計でも、平日に少しずつ、休日にまとまって進める形で週17時間前後の学習量が必要になりやすく、仕事の繁忙期が重なると遅れやすい傾向があります。
試験直前に慌てるというより、研修が終わらないことで受験以前に止まるほうが現実的なリスクです。
見込み受験の扱いや書類締切は年度の要項で運用が分かれるため、この論点では「試験日まで」ではなく、受験資格として認められる期限までに修了しているかで考えるのが基本線になります。
不合格時の翌年対応
不合格だった場合でも、翌年は一からやり直しとは限りません。
第39回以降はパート合格制度の本格運用により、合格済みのパートが有効期限内なら免除を選べる仕組みになります。
有効期限は、合格した試験の翌々年までです。
そのため、翌年に再受験するときは、全パートを受け直す方法だけでなく、不合格だったパートのみをまとめて再受験する選択肢が生まれます。
ここで注意したいのは、「苦手だった1パートだけを都合よく切り出して受ける」形ではなく、不合格パートが複数あるなら、その不合格パートをまとめて受ける運用だという点です。
多くの受験生が誤解しやすいのですが、第38回は制度導入初年度のため、実質的には全員が全パート受験です。
翌年対応の恩恵が見えやすくなるのは第39回以降です。
したがって、今後は「今年は全部受けて、翌年は落ちた部分だけ立て直す」という戦い方がしやすくなります。
これは働きながら再挑戦する人にとって、学習負担を変化です。
まとめと次のアクション
この記事の要点3つ
介護福祉士を働きながら目指すうえで重要なのは、試験勉強を急ぐことより、受験条件を満たす工程を先に見える化することです。
実務経験ルートは、従業期間と従事日数、さらに実務者研修の修了がそろって初めて前に進めます。
制度面では、第38回は全パート受験が前提で、翌年以降の立て直しやすさが変わるのは第39回からです。ここを取り違えると、今年の準備と来年の再受験戦略がずれます。
費用や学習負担は人によって差が出ますが、合否を分けやすいのは、勤務記録・研修日程・申込時期を早めにそろえる段取りです。
現職者ほど、勉強時間より先にスケジュール管理が成果に直結します。
今日から始める3ステップ
- まず、勤務開始日とこれまでの従事日数を整理し、自分が何回目の試験を現実的に狙えるのかをはっきりさせます。複数職場がある人は、証明書の回収先も同時に洗い出しておくと後が楽です。
- 次に、実務者研修は2〜3校を比較して、通信中心か通学比重かだけでなく、スクーリング日程が自分のシフトに収まるかで決めます。講座選びのポイントや比較方法については当サイトの「通信講座の選び方」を参考にして、料金・日程・振替対応を比較してください。
- そのうえで、職場の資格取得支援、自治体の補助や貸付制度、試験センターの日程を並べて確認します。申込・受講・受験を別々に見るより、1本の工程表にまとめたほうが動きやすくなります。
チェックリスト
- 受験可能年を判断できるよう、勤務歴と従事日数を整理した
- 実務者研修の候補を比較し、通いやすい日程を確保できる見込みがある
- 職場支援・自治体制度・試験日程を同じ表で管理する準備ができている
行政書士事務所で5年の実務経験を経て、資格スクール講師に転身。行政書士・宅建士・FP2級を保有。年間50回以上の受験対策セミナーを担当し、合格者の学習パターン分析が得意です。
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